新型ランドクルーザーFJの内装をじっくり見ていくと、やはりこの車は“ランクル250のミニ版”という印象が強く残ります。
今回はその中でも「後部座席」と「トランクスペース」に注目してみました。
後部座席は見た目どおりコンパクトで、前席との距離が近く、実際に座ってみると大人には少しタイトに感じるサイズ感。
とはいえ、座面の高さやリクライニング機能など、限られた空間の中にも工夫が見られました。
一方でトランクは思いのほか広く、特に高さ方向に余裕があるため、積み上げ収納に強い構造になっています。
横開きのバックドアやユーティリティナットの設置など、アウトドアや荷物運びを前提とした“実用のためのデザイン”が随所に感じられました。
豪華装備を競うSUVとは違い、ランドクルーザーFJは「使い込む楽しさ」に重きを置いた一台。
今回はそんなリアシートと荷室の実車レビューを、写真付きでじっくりお届けします。
目次
後部座席の広さと着座感
アームレストは非装備、リクライニングは可能

後部座席の中央にはアームレストがなく、長距離移動時の快適性というよりは実用重視の構造になっています。
ただし、リクライニング機能が備わっており、角度を少し変えられる点はありがたい部分です。
シートのクッションはやや硬めですが、背もたれの厚みはしっかりしており、短時間の移動なら十分に快適。
素材は合成皮革のようで、触り心地はさらっとしており、汚れに強くアウトドア用途にも向いていそうです。
頭上にはそこそこ余裕がありますが、横方向のゆとりも控えめで、二人で乗るならちょうどいいが、三人では窮屈といった印象です。
膝前スペースは最小限。身長168cmでギリギリ

実際に後部座席に座ってみると、まず感じたのは前席との距離の近さでした。
身長168cmの筆者が着座した状態では、少しでも浅く腰を引くと膝が前席の背面に当たるほどのタイトな空間。
見た目以上に前後スペースが限られており、ランクル250よりも明確にコンパクトに感じます。
装備は最小限。電源ソケットのみでシンプル

センターコンソールの後部には、エアコン吹き出し口がなく、アクセサリー電源ソケット(DC12V)がひとつだけ設置されています。
USBポートや後席専用のエアコン操作はなく、全体的に“簡素”という印象。
とはいえ、この潔いシンプルさはFJらしい割り切り方でもあります。装飾を削ぎ落とし、あくまで“使うこと”を前提にした内装デザイン。豪華さよりも、道具としての信頼性を優先しているように感じます。
リアクォーターウインドウがなく、やや暗めの室内

後席に座ると、外の光の入り方が少し独特です。
というのも、この車にはリアクォーターウインドウ(後部小窓)が存在しません。
そのため、後席から見える景色はやや限られ、全体的に少し暗く感じるのが特徴です。
閉塞感といえばそうですが、逆に“囲まれている安心感”のような雰囲気もあり、これは好みが分かれるポイントかもしれません。
(写真からも分かるように、後方は分厚いCピラーで囲まれた構造になっています)
トランクスペースと使い勝手
高さ方向に余裕のある荷室

実際にバックドアを開けてみると、見た目以上に高さがあり、縦に積み上げやすい荷室構造になっていました。
床面の奥行きはそれほど長くありませんが、天井までの距離があるため、キャンプ道具やボックス収納を重ねて積むのに向いています。
また、開口部が大きく取られているため、大きめの荷物でも出し入れがしやすいのも好印象です。
ただし、地上高はやや高めで、身長160cm台だと腰のあたりの高さになります。
重い荷物を持ち上げるときは少し力が必要ですが、オフロード走破性を重視した車らしい高さといえるでしょう。
バックドアは横開きタイプで実用的

ランドクルーザーFJのバックドアは横開き式を採用しています。
これにより、狭い縦方向のスペースでも比較的開けやすく、キャンプやアウトドアでの使い勝手に優れた構造です。
ヒンジ部はかなり頑丈な造りで、開閉時の重厚感もあり、いかにも“ランクルらしい”頼もしさを感じます。
スペアタイヤがドア中央に装着されているため、リアビューの迫力にもひと役買っています。
サイドの凹みとユーティリティナット

荷室の両サイドには、リアクォーターウインドウがない分、奥に深く凹んだスペースがあります。

この部分にはユーティリティナットのような固定用のネジ穴が見え、オプションでラックやフックを取り付けられる可能性があります。
このあたりの“拡張性を残した設計”は、まさにFJの遊び心そのもの。
純正アクセサリーやアウトドアギアとの組み合わせ次第で、さまざまな使い方ができそうです。
後席を倒すと荷室拡大。ただし段差あり

後部座席は分割可倒式となっており、前に倒すことで荷室を大きく拡張できます。
ただし、倒したときにシートバックと荷室床面の間に段差が生まれる点は注意が必要です。
完全にフラットにはならないため、車中泊などを考える場合はマットなどで調整が必要になりそうです。
とはいえ、荷物を積むためのスペースとしては十分広く、奥行きも拡大されるため、アウトドアや日常使いでは十分な実用性を確保しています。
まとめ:実用性を重視したリアスペース設計

ランドクルーザーFJの後部座席とトランクを見て感じたのは、「快適性よりも道具としての使いやすさ」に重点を置いた設計でした。
後部座席はコンパクトで、広さに余裕はないものの、必要最低限の装備で構成され、リクライニング機能やシート素材の耐久性など、実用面での配慮がしっかり感じられます。
リアクォーターウインドウがないため暗く感じる部分もありますが、車全体のデザインコンセプトと一致しており、無骨な印象を引き立てています。
一方でトランクは、広さよりも高さに余裕を持たせた構造で、キャンプギアや大きな荷物を積む際にも安心。
横開きのバックドアやユーティリティナットの存在は、アウトドア志向のユーザーが自分好みに使い込む楽しみを想定したつくりといえるでしょう。
豪華装備や快適性を追い求める車ではありませんが、「FJ」らしい無骨さと実用性の融合が魅力。
街中でもフィールドでも、“必要なだけの機能を持つ相棒”としての存在感を強く放っていました。
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