日産のスポーツカーの頂点。GT-R NISMO Special edition 2024年モデルの実車を見てきました。昨今新発売されたスカイラインNISMOやフェアレディZ NISMOと各部パーツは似ていますが、全く素材や造形が異なり、まさに「本物」のレーシングモデルです。
各部のエアロパーツはフルカーボン。デザインだけでなく、軽量さや性能も求められて作られていますので、今回はその最高峰の造形を見ていきましょう。
目次
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グレード・価格
NISMOのグレードは2種類です。今回ご紹介する車体は「GT-R NISMO Special edition」の方だと思います。
GT-R NISMO:28,650,600円
GT-R NISMO Special edition:29,150,000円
価格差は50万円ほどですが、その変更点は以下の通りです。
高精度重量バランスエンジン部品、クリヤー塗装 NISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)、専用レイズ製アルミ鍛造ホイール(レッドリム加飾)、アルミ製ネームプレート(専用カラー)
エンジンフード(ボンネット)がクリヤー塗装でカーボン地が綺麗に見えていたらそれはスペシャルエディションである可能性が高いですね。
V6エンジン・スペック
Special editionでは、上の写真のようにエンジンにアルミ製のネームプレート(専用カラー)が取り付けられます。
- エンジン形式:NISMO専用VR38DETT型エンジン DOHC・V型6気筒
- 排気量:3,799cc
- トランスミッション:GR6型デュアルクラッチトランスミッション 6速
- 最高出力:600馬力(6,800回転)
- 最大トルク:652N・m(3,600-5,600回転)
- 可変バルブタイミング機構で燃費向上
- 四輪駆動
- 燃料タンク:74リットル
ノーマルのGT-Rの最高出力が570馬力、最大トルクが637N・mですので、NISMO専用チューンによって30馬力、15N・mパワーアップされています。
圧倒的なパワーを発揮するNISMO専用VR38型エンジン
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r/specifications/nismo_performance.html
最高出力441kW(600PS)を発生するGT-R NISMOのNISMO専用VR38型エンジンは、NISMO専用GT3タービン(IHI製高効率・大容量ターボ)に加え、気筒別に最適な点火時期をコントロールする気筒別点火時期制御や最適な燃料噴射を行うインジェクター駆動回路を採用している。これにより、排気性能、運動性能を損なうことなく高出力を達成している。また、スポーツ走行などで冷却水の流量を維持し、冷却性能を向上する加圧式リザーバータンクも装備。エンジンカバーには、専用エンジンの証として「NISMO」のエンブレムを装着している。
フロントビュー・全幅1,895mm
フロントはとにかくカーボン感がすごいです。バンパーもボンネットも全てカーボンです。グレーの塗装面もカーボン素材でできています。
エンジンフード、ボンネットはカーボン製です。カーボンの網目が綺麗ですね。
こちらスペシャルエディションのクリヤ塗装仕様のエンジンフードです。
NISMO専用カーボン製フロントバンパー
NISMO専用カーボン製フロントバンパーはリップスポイラー形状が床下の負荷を増大しダウンフォースを生み出します。
サイドのフィンもカーボンで見入ってしまいますね。
サイドのカナード形状が発生する気流の渦を最適化してダウンフォースを生み出します。
サイド:全長4,700mm・全高1,370mm・ホイールベース2,780mm・最低地上高110mm
サイドは見るものも楽しいエアロ感。そしてGT-RっぽいCピラー。そしてNISMOらしい、赤いラインが素敵ですね。
ドアミラーにもNISMOの赤いラインが入っているのが特徴です。
サイドスカート、
NISMO専用拡幅カーボン製フロントフェンダー(上部&後部アウトレットダクト付)
フロントフェンダーの上部は、ノーマルのGT-Rにはないエアアウトレットが追加されています。カーボンのクリア塗装でかっこいいですね。
このフェンダー上部のアウトレットダクトにより、エンジンルームの熱気を排出して冷却性能を向上しているそうです。ボディ表面の流速を下げることで、フロントのダウンフォースを増加しています。
実はGT-R NISMOのフロントフェンダーはカーボン製となっています。
グレーの塗装面も、実は素材がカーボンとなっています。エンジンが重いので、フロントは極力軽量化することが考えられています。
フェンダーの後部にもエアアウトレットが装備されています。こちらはノーマルのGT-Rにもありました。
ホイール
専用レイズ製20インチ、アルミ鍛造ホイールが装備されています。スペシャルエディションでは赤いリム加飾が施されています。
フロントタイヤサイズは255/40ZRF20(101Y)、タイヤは専用のDUNLOP SP SPORT MAXX GT 600 DSST。
ブレーキは専用カーボンセラミックブレーキ(NCCB:Nissan Carbon Ceramic Brake)。
イエローキャリパーが目立ちます。NISSANと大きく書いてありますが、ブレンボ製モノブロック対向6ポッドキャリパー、φ410mmフルフローティングドリルドローターです。
リヤタイヤのサイズは285/35ZRF20(104Y)です。
ブレンボ製モノブロック対向4ポッドキャリパー、φ390mmフルフローティングドリルドローター。
カーボンセラミックブレーキは日本車ではなかなか見ない高級パーツですね。
リア周り
リヤ周りを見ていきましょう。
大きなカーボン製のリヤウイングが目を惹きますが、トランクリッド、トランクの蓋もカーボン製となっており、さらなる軽量化が図られています。
ノーマルのGT-Rを見てみると、カーボン素材はないものの、かなり空力性能に配慮した、NISMOに近いエアロ形状をしていますね。
大きくはバンパー形状、カーボン素材が異なります。
マフラーはFUJITSUBO製チタン合金製マフラーで、これはノーマルのGT-R と同様ですが、アフらー上のエアアウトレットが追加しているのが異なりますね。
このリアフェンダーのサイドの迫力がすごいです。カーボンの整流板が追加されています。
この後端エッジを最適化することで、車両背面への気流を抑制します。
NISMO専用カーボン製リヤウイング
スワンネック形状のリヤウイング。
ルーフもカーボンで軽量化
フェアレディZ NISMOでは黒塗装になっているだけでしたが、GT-R NISMOはちゃんとカーボン素材をルーフに使用して軽量化を図っています。
専用カーボン製ルーフは、単なるカーボンではなく、より軽量化を可能とする平織りカーボン素材と低比重素材のサンドウィッチ構造をPCM形成する工法を採用した。これにより必要とされる剛性を保ったままさらなる軽量化を可能としている。さらに、カーボン製ルーフの平滑性を保ち、表面品質を確保するため、使用材料の板厚厳格管理を実施。PCM工法と専用プリプレグを採用することによりカーボン表面の平滑性を高めている。
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/gt-r/specifications/nismo_bodywork.html
このルーフ一つとっても、技術の賜物ですね。
軽量化だけでなく、剛性も確保しています。
国産スポーツカーの最高峰
国産メーカーで、カーボンでのエアロパーツ、そして軽量化を図っている車両はあまりありません。
NISMOシリーズほスカイラインやフェアレディZもありますが、エアロパーツが重さを増していることもありました。しかし、GT-R NISMOの場合は車両総重量が1,980kgから1,940kgへ減量することに成功。40kgも軽量になっています。まさにサーキットを走るためのロマンある車です。
3千万円弱で6気筒、3.8リッターという数字はどうなのかなという気持ちはちょっとありますが、所有することでの高揚感はあります。
この見た目でワイドが1,895mmしかありませんから、日本の道、駐車場事情にもマッチする車ですので、やろうと思えばフェラーリなどのスーパーカーよりも普段使いできるかもしれません。
こんな素晴らしい車に乗って見たいものです。皆さんの参考になれば幸いです。