新型RAV4の生産停止と再開｜気になる理由と最新の納期・納車遅れを徹底調査

12月も押し迫り、街が慌ただしさを増すなか、トヨタから飛び込んできた「新型RAV4の生産停止」という一報は、納車を心待ちにしていたファンにとって、冷や水を浴びせられたようなニュースだったかもしれません。

今回の新型RAV4は、12月17日に発売されたばかり。しかし驚くべきことに、トヨタはその発売2日前の15日から、主力の高岡工場での生産をあえて止めていました。華々しいデビューの舞台裏で、一体何が起きていたのでしょうか。

発売直前の「ブレーキ」が意味するもの

公式発表によれば、停止の理由は「最終的な品質確認のため」とのこと。かつての自動車製造であれば、ハードウェアの組み付けミスや部品の欠損が主な懸念材料でしたが、現代の車、特にこの新型RAV4のような最新鋭のSUVにおいては、その中身は巨大な精密機械というより「走るコンピューター」に近い存在です。

今回の停止も、車載ソフトウェアや電子制御ユニット（ECU）の微細な挙動を再チェックするためのものだったと見られています。不具合を抱えたまま市場に出し、後からリコールで対応するのではなく、たとえ発売日に水を差すことになっても、完璧な状態でラインオフさせる。そんなトヨタの、ある種の「意地」のようなものが透けて見えます。

聖夜に灯った、生産再開の明かり

幸いなことに、この「足踏み」は長くは続きませんでした。 12月25日、クリスマスの午後。高岡工場のラインには再び明かりが灯り、新型RAV4の生産が再開されました。およそ10日間にわたる徹底的な確認作業を経て、ようやく「合格点」が出たということでしょう。

ただし、並行して生産を担う予定だった長草工場（豊田自動織機）は、以前からの年末工事の真っ只中にあり、こちらの稼働は年明け以降に持ち越しとなっています。当面は高岡工場が一本足で供給を支える、綱渡りの状況が続きそうです。

待ちわびるオーナーたちの現在地

さて、気になるのは「自分の車はいつ届くのか」という点です。今回の10日間の停止により、初期ロットの納車スケジュールには、概ね1週間から2週間程度の遅れが出ているようです。特に年内納車を予定していた方々の中には、年を跨いでの対面となってしまったケースも少なくないでしょう。

現在の納期目安を整理すると、以下のようになります。

ハイブリッドモデル: 注文から約2〜3ヶ月。今から動けば、春のドライブシーズンには間に合うかどうか、といったところ。

静かな再開を、どう捉えるか

今回の騒動を「不祥事」と捉えるか、「誠実さ」と捉えるか。今のトヨタを取り巻く厳しい視線を考えれば、彼らにとって「妥協」は許されない選択肢だったはずです。予定通りに届かないもどかしさはありますが、品質の不確かさを抱えたまま公道を走るリスクを考えれば、この10日間のブランクは、むしろオーナーへの「安心」という名のギフトだったのかもしれません。

生産ラインは再び動き出しました。年明け、冬の澄んだ空気の中を走り抜ける新型RAV4の姿を、私たちはまもなく目にすることになるでしょう。