前回の記事では新型RAV4アドベンチャーのコックピットに焦点を当てましたが、今回はガラリと視点を変えて、後部座席とトランクの使い勝手についてお話しします。外観や運転席の「遊び心」に目が行きがちなこのグレードですが、実際に後ろのドアを開けてみると、そこには想像以上のゆとりと快適さが広がっていました。
正直なところ、アドベンチャーのようなアクティブなグレードだと、後部座席の居住性はある程度妥協されているのかな……なんて想像していたのですが、良い意味で期待を裏切られましたね。ゲストを乗せてのロングドライブでも「これなら文句なしだ」と確信できる、おまけではない「実用的な居住空間」としての実力を、実車の写真と共に紐解いていこうと思います。
目次
後部座席の居住性:ランクル250超え!?驚きの足元スペース
SUVを選ぶ際、どうしても運転席の装備ばかりに目が向きがちですが、家族や友人を乗せるなら後部座席の広さは無視できないポイントですよね。今回、実際にアドベンチャーの後席をチェックしてみて、その「想像以上の広さ」に驚かされました。
身長168cmが体感した「拳」1個以上のゆとり

実際に後部座席に腰を下ろしてみて、まず「おっ、広いな」と声が出たのが膝周りのスペースです。私の身長は168cmですが、前席を適切な位置に合わせた状態でも、膝先からシートバックまでかなりの余裕があります。
実録写真を見てもわかる通り、足を投げ出すような姿勢になっても窮屈さは全く感じません。天井までのヘッドクリアランスも十分に確保されているので、車内での圧迫感はほぼゼロ。これなら長距離ドライブで後ろに座るゲストからも、不満が出ることはなさそうです。
ランクルシリーズと比較しても際立つ「広さ」の不思議
最近はランドクルーザーシリーズが非常に盛り上がっていますが、それらと比較してもRAV4のパッケージングは優秀だと感じました。
話題の新型ランクルFJと比べれば、後部座席のゆとりは圧倒的にRAV4に軍配が上がりますし、個人的には7人乗りのランクル250よりも、このRAV4の方が「座った時の余裕(リラックス感)」があるように感じたのが意外な発見でした。ボディサイズや車格だけで判断できない、実用的な居住空間の作り込みの巧さを実感させられます。
アドベンチャー専用シートの絶妙な肌触りと質感

居住性だけでなく、シート自体の質感もこのグレードの魅力です。アドベンチャー専用の合成皮革シートは、適度な厚みと適度な硬さがあり、座ってみると体が自然にサポートされるような感覚があります。
合成皮革といってもチープな印象はなく、むしろ「汚れを気にせずガシガシ使える道具感」がアドベンチャーの内装色とマッチしていて好印象でした。中央にはカップホルダー付きのアームレストも完備されており、後席でのくつろぎタイムもしっかりサポートされています。
後席アメニティ:必要十分な「おもてなし」装備
後部座席の広さが確保されていることは分かりましたが、長時間のドライブを支える「ちょっとした気遣い」もしっかり用意されています。過剰な豪華さはありませんが、必要なものが使いやすい場所に配置されている、そんな安心感がありました。
使い勝手のいいセンターアームレスト

後席の中央には、パタンと手前に引き出せるセンターアームレストが備わっています。ここにはカップホルダーが2個横並びで付いているので、飲み物を置きながらゆったりと過ごすことができます。アームレスト自体の高さもちょうどよく、座った時に自然に肘を置ける絶妙なポジションなのも好印象でした。
センターコンソール裏に集約された実用的な機能

センターコンソールの裏側、ちょうど後席の正面にあたる部分には、エアコンの吹き出し口とUSB-Cポートが2口配置されています。
USBポートは15W出力に対応しており、移動中にスマホやタブレットを充電するには十分なスペックです。最近はType-Cが標準になりつつあるので、アダプタを介さずそのままケーブルを挿せるのはやはり便利ですね。エアコン周りに細かな温度調節機能などはありませんが、風がダイレクトに届く吹き出し口があるだけで、後席の快適さは格段に変わります。
全体的に見れば「豪華絢爛」というわけではありませんが、実用面で困ることはまずないでしょう。「シンプルだけど、これだけあれば十分」と思わせてくれる潔い使い勝手こそが、いかにもアドベンチャーらしい魅力だと感じました。
トランク・ラゲージ:数字で見る「広さ」と使い勝手のリアル

RAV4の真骨頂といえば、やはりこの広大なラゲージスペースですよね。アドベンチャーを選ぶようなアクティブ派にとって、ここがどれだけ「使えるか」は死活問題だと思いますが、期待を裏切らない実力を持っていました。
カタログスペック以上のゆとりを感じる「広さ」の詳細

まずは具体的なサイズから見ていきましょう。5人乗った状態でも奥行きが961mmもあり、後部座席を倒せば最大1,805mmまで広がります。幅は最小でも1,002mm、最大で1,385mmを確保。高さについても、デッキボードの位置を下段に設定すれば933mm(上段時847mm)まで広がるという、かなりの大容量っぷりです。
荷室容量は749リットルでゴルフバッグは4個まで積めるとのことです。
実際にバックドアを開けて覗き込んでみると、その圧倒的な奥行きには正直圧倒されますね。これだけ広ければ、キャンプ道具一式はもちろん、大型のクーラーボックスや趣味の道具をガシガシ積み込んでも、まだまだ余裕がありそうな安心感がありました。
シートアレンジと「フルフラット」のリアルな使い勝手

さらに大きな荷物を運ぶときは後部座席をバタンと倒すわけですが、そうすると出現するのはもはや「小さな部屋」のような広大な空間です。ただ、ここで一つだけ事前に知っておきたいのが、完全な「真っ平ら(フルフラット)」にはならないという点です。
実車の写真を確認すると、倒した背もたれ部分に少しだけ角度がついているのが分かります。決して大きな段差があるわけではありませんが、完全に水平ではないので、もし車中泊を検討しているなら、厚手のマットを敷いて傾斜を解消するなどの工夫をすると、より快適に過ごせそうだなと感じました。
アウトドアの幅を広げる「アクセサリーコンセント」
アドベンチャーグレードのラゲージルームで、実用性を重視するなら見逃せないのが**アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)です。こちら右側側面についてます。
これ、単なるコンセントではなく、最大1500Wという大容量がポイント。キャンプ場で電気ケトルを使ってお湯を沸かしたり、コーヒーメーカーで淹れたてのコーヒーを楽しんだりと、アウトドアの楽しみ方が一気に広がります。
さらに心強いのが、万が一の災害時に役立つ「非常時給電システム」が備わっていること。停電などの非常事態でも、車を「動く発電機」として活用できる安心感は、家族を乗せる一台として大きなメリットになります。
5. まとめ:家族や仲間と「遊び」を共有できる一台

今回、新型RAV4アドベンチャーの後部座席とトランクをじっくりチェックしてきましたが、一言で言えば「遊びに本気になれるクルマ」という印象をさらに強くしました。
運転席周りのワクワク感はもちろんですが、後席に座った時の意外なまでのゆとりや、何でも飲み込んでくれそうな懐の深いラゲージスペース。これなら、自分一人だけでなく、大切な家族や仲間を連れてのロングドライブも最高に楽しくなりそうです。
450万円〜という価格に対し、これだけの居住性と積載性、そしてアドベンチャーならではのデザイン価値が詰まっている。そう考えると、単なる移動手段を超えた「最高の遊び道具」として、このクルマを選ぶ価値は十分にあると確信できた検証でした。
皆さんの参考になれば幸いです。
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